恋色花火
俯いて、搾り出すように出した声。
何も言葉が返って空気にハッとなった。
「ごめ……あたし、何言ってんだろ。
彼氏いないから八つ当たりしちゃったのかなーっ」
前髪をおでこに押さえつけ、ごまかしたように笑う。
「ホントだよ……お前何言ってんだよ」
ようやく返ってきた返事。
あたしが俯いてるせいで顔は見えないけれど、声には明るさが一切なかった。
それがあたしの心を抉る。
あたしはもうこの場にこれ以上居たくなくなった。
「そ……そろそろ花火上がるよね。
じゃ、あたし行くから、彼女さんとごゆっくり!!」
ユウヤの横を通り過ぎ、路地を目指して歩こうとする。
だけどその腕がすぐに掴まれた。
「だからお前、何言ってんだって」
大好きなその声とともにあたしを引き止めた大きな手。