愛されることの奇跡、愛することの軌跡
「祝福か邪魔か、その二択しかないわけですね?」


健吾のお父さんは私の質問に否定も肯定もしない。


「それなら、答えは"邪魔"です」


私は思いの丈を話した。


「祝福というのは、相手に対して一点の曇りもなく祝いたい気持ちがある時に使う感情表現のひとつだと思います。健吾さんの結婚なんて、祝福できるわけがありません。相手のこのみちゃんには夢があるのです。そしてその夢を叶えるために必要な愛する人に、彼女は既に出会っているのです」


『お付き合いされている方がいらっしゃるということかな』


「はい。このみちゃんの幼なじみで私の同級生です。彼らの夢は、それぞれ医師と看護師になって修行をし、ふたりで無医村の地域に行って地域医療に従事し、世の中の役に立つことなんです。その夢を、親と会社の都合で、潰そうとしているのです」


『ほう。それで?』


健吾のお父さんは、余裕だ。


でも、私の話を聞いてくれている。
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