愛されることの奇跡、愛することの軌跡
『でもさ、私も何のビジョンもない中で、父さんに刃向かうこともできなくて。前からフラワーアレンジメントに興味があったから、自分であの店に飛び込んで働くようになったのが、やっと2年前の話でね』


飛び込んで仕事を得たんだ。


行動力あるよ、実穂さん。


『ほら、この間あなた達を待たせちゃったじゃない?それは父さんが紹介するある化粧品会社の御曹司との見合い話に反発していたのよ。あなた達が帰った後で父さんに言われたわ。"お前も健吾のように、運命の人と出会いがあることを願うよ"って。どこまで本心なんだかわからないけど、そう言う言い方になっただけでも、父さんの進歩よ』


「結婚、考えないんですか?」


実穂さん、その気になれば、寄ってくる男性はたくさんいるだろうに。


『ずーっと、片想いな人生。私みたいな気の強い生意気な女なんて興味ないし、そもそも愛を信じていない人だから』


「いるんですね、運命を感じる人が」


実穂さんは、遠くを見る目付きになった。
< 375 / 548 >

この作品をシェア

pagetop