愛されることの奇跡、愛することの軌跡
『私が運命を感じたって、相手がそう思わなければ、結ばれない。でも、彼以上の人に、どうしても目が向かなくて。私も素直じゃないから、会うとすぐ言い争いになっちゃうし』


「素直になりましょうよ。健吾はきっと、自分に素直になったから、私も心が開けたんだと思いますし」


私のこの言葉に実穂さんは"あっ"と声に出して、


『玲奈ちゃん、健吾のどこがいいの?健吾って…重いでしょ、恋愛に関して』


「そうですか?私も多分重いので…」


と、長い間シン兄ちゃんを追いかけていた話を実穂さんにした。


『それは、ご本人は迷惑だったかな?』


実穂さんはそう言って笑った。


『健吾は重いのは、やっぱり今までの環境なの』


と、実穂さんが次に話してくれたのは、健吾の昔話。


実穂さんは生後半年、健吾は3歳の時に実母と生き別れ、その直後は健吾の夜泣きが酷く、1年近くも続いたらしい。


3歳から4歳にかけての年齢は、もう夜泣きするような時期ではない。


でも健吾は毎晩泣いた。


"ママぁ、ママぁ"と。
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