愛されることの奇跡、愛することの軌跡
夜中のリビングはとても静か。


『玲奈と、実際にこうして話すようになって、間もなく1年になる』


健吾は、正面の真っ暗なテレビに目線を置いている。


『この1年で、玲奈への見方が、いい意味で変わったと思う』


健吾は笑顔で私を一瞥し、また正面を見た。


『最初はさ、やっぱり見た目の好みな部分が大きかった。とにかく、玲奈は可愛すぎる』


「そんな、恥ずかしいよ」


私の言葉に、今度はしっかりと私に目線を合わせて話す健吾。


『でも、玲奈の魅力は、外見じゃなくて、内面の部分の方がとにかく大きいんだ。東都大に入るための努力は並大抵では難しい。でも玲奈は結果を出せるだけの素晴らしい賢さ、あと、自分よりも人を思いやる心。そして、俺を愛してくれる奇跡』


「奇跡?必然だよ、私達は」


『俺は奇跡だと思ってるよ。神様に感謝しなくちゃ。最後のLHRは、そんな心情を全て吐き出して、玲奈への思いを皆の前で言葉にするよ。だから、覚悟してね?』


健吾は首を横にかしげて可愛げに言う。
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