駄目男、俺。
この辺は山が多い。背の高い建物はないから見晴らしもいいし、何年か振りに帰ると大手の電気屋が出来てたり、チェーン店が潰れてたりと中々発見があるもので、俺は見慣れた街をただブラブラと目的もなく歩いた。
ふと、アーケード街で目を奪われたのは、ショーケースに飾られた
宝石店のリング。
勿論、値札に書かれた7桁の数字は俺に手の届く額じゃないけど、
ただ、無意識に、
美和の細い指先に似合うリングを探していた。