君の居場所


はっ、として、2人は言った。

〝置いてきた〟

と。

え・・・

春音は、〝捨てられた〟のか。

置いてきた、という事は、捨てたも同じ。

幼い俺にも理解できた。

回りくどい言い方で、捨てたと言ってるんだ。

ひどい。

それにこの日は・・・。



『実はね、今日は春音ちゃんの誕生日なのよ。

だけど、頼君が家に来た時、

黒いスーツをまとった男が1人居たのよ。

チラッとしか見えなかったけど。

でも私には分かってた。

それが何を意味するかなんて。

殺しに来た事くらい、分かってた。

だから頼君が帰った後、大(だい)さんを呼んだ。

すぐに来てくれたわ。

春音ちゃんのパーティをして、

もしものために、と思って用意していた通帳をプレゼントにしたの。

その後・・・っ・・・』



そう、春音の誕生日だったんだよ。

大さんとは、春音のお父さんの事だ。

おじさんは、これ以上は話せそうにないおばさんの肩を持ち、代わりに話し出した。



『その後、春音を連れて、レストランに行ったんだ。

黒いスーツの男が6人、俺達をつけているのが分かっていた。

それでも、春音の前では戦うなんて出来なかったから、我慢していた。

あと、あの家は今日で引っ越す事にしていた。

荷物もきちんと片付けていたし、大丈夫だった!

なのに、男達はナイフを取り出した。

俺達も小太刀を持っていた。

けど、春音を狙っていたとは思いもしなかった・・・』






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