ライトブルー
「ただいまー」
「楓ぇ、腹減った」
「あんた『おかえり』って言葉知らないの? 何が『腹減った』だよ、さっき自分で食べとけって言ったのに」
ずかずかと部屋に入る私の後ろには瑞希がいる。
「お邪魔します」
瑞希はやや控えめな声色だ。
「友達?」
「うん。大学の友達。瑞希って言うの」
「はじめまして。楓の友達の米坂瑞希です」
瑞希が会釈すると、浅黄もよくわからないような顔でとりあえず会釈する。
「今、夕飯つくるから」
私はキッチンで料理をしながら、リビングの浅黄と瑞希を観察することにした。