ブラックレター~高嶺の花に恋します~
「あ、あんまり派手なのはあれかな、と思って…」
そう呟けば直ぐ様返ってくる絢子からの返事。
「相沢さんに画面越しにでも見られたらって思ったら緊張しちゃった?」
「あ、絢子!」
その言葉に顔が物凄い勢いで赤くなる。
私の恋する思考も絢子にはバレバレだったようで。
素直に言ったのが間違いだった。
ヤバイと思ったときにはもう遅い。
ケラケラと笑う彼女に声を上げれば、さらに彼女の笑いは大きくなった。
もう嫌。完全に遊ばれてる。
「ほらほら、行くよー!おばさん、行ってきまーす!」
「…行ってきます」
「はいはい。いってらっしゃーい」
肩を落とす私の手を取って歩きだす絢子。
にこやかに送り出してくるお母さんに二人で挨拶をして、私たちは夜の映画館に向かった。