運命のように君を愛してる~先生との赤い糸~
【枢】
仁田と一ノ瀬を車に乗せ運転する。
信号にかかったところで、今まで一言も喋らなった仁田が口を開いた。
「切先」
「ん?」
「俺…優姫のことが好きだ」
そう聞いた瞬間、握っていたハンドルの手に力が入った。
「ちょっと、陸!切先にそんな事を言わなくても…」
「…なんか、あんたには言わないといけない気がする。俺、テストが終わったら優姫に告白するから…」
「…好きにしろ…」
俺は冷静を装うに必死だった。
それから、仁田を送り車の中は俺と一ノ瀬だけになった。
「ねぇ、先生」
「なんだ?」
「陸はきっと本能で気づいてると思う。切先と優姫がただの”義理の兄妹”じゃないこと…」
「気づかれたか…」
「私を甘く見ないでよ~」
「一ノ瀬、お前には俺と優姫の家の事を全部話す」
「やっと、話してくれるんだね」
それから、俺は車を停めて一ノ瀬に話をした。
親父が学校の『理事長』である事。
俺と悠が『切田グループ財閥』の社長と副社長である事。
俺が知る限りの義母さんと雨宮太一の『離婚した理由』。
一ノ瀬は驚きながらも黙って最後まで聞いてくれた。
「…嘘、優姫はお父さんがDVしてるなんて一言も…」
「お前に心配かけたくなったんだろ」
「優姫…」
「……」
「でも、切先…いいの?陸が優姫に告白しても…」
「…んなわけないだろ!!本当は仁田に今すぐ『優姫は俺の女』って言ってやりたい」
…でも、今は『教師』と『生徒』でもあるから言えないんだ。
「切先…」
それから、俺たちは黙ったままだった。