恋の授業。



「ねぇ、さっきの雑誌、もっとよく見せてよ?」



ぇええっ?!!



キノコ公園に着く頃、森川君が放った一言でワタシの心臓はまたもや踊らされた。



………

ん…んまぁ、いいけど……でも…



「いいけど……、恥ずかしいな~。」



自分の前で好きな人に見られるなんて、耐えられるかな‥



「ほらほら、着いたよ!あそこ座ろ!」



そう言って先に行く森川君。

座ろうと言われたベンチは、いつもホクロメガネと座っているベンチだった。



………



別に何があるわけではないのに
なんとなく…嫌だ。


そこには座りたくなかった。



「森川君!こっちの方が明るいよ!こっちにしようよ!」



街灯の下の方がいいよと言って、座る場所を変えてしまった…



なんで…?だろう。



いつもは“感覚”を理由に動いたりしないのに。



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