恋の授業。
羞恥で意識が飛びそうになりながら、もうオシマイと森川君の本を取り上げた。
「ねぇ川原さん」
「何ですかっ!」
取り上げた勢いで拗ねたような返事になってしまった。
「かわいい川原さん」
まるでご機嫌取りでもするかのように、わざとかわいいと付け足す森川君。
「今度の花火、一緒に行かない?」
っ……?!
この言葉だけは茶化さなかった。
えっ、えっ……!
真剣に誘ってくれたのがしっかりと伝わってきた。
も…もうダメだ…!
完全に完敗だ。
行きたい、もちろん行きたい!
でも思考回路がおかしくなってる今、ハァハァしながら必死で出した返事は
「はいご主人様…」
記憶にあるのは、森川君の大爆笑だけ……!