恋の授業。


羞恥で意識が飛びそうになりながら、もうオシマイと森川君の本を取り上げた。



「ねぇ川原さん」



「何ですかっ!」



取り上げた勢いで拗ねたような返事になってしまった。



「かわいい川原さん」



まるでご機嫌取りでもするかのように、わざとかわいいと付け足す森川君。



「今度の花火、一緒に行かない?」



っ……?!



この言葉だけは茶化さなかった。



えっ、えっ……!



真剣に誘ってくれたのがしっかりと伝わってきた。



も…もうダメだ…!



完全に完敗だ。
行きたい、もちろん行きたい!
でも思考回路がおかしくなってる今、ハァハァしながら必死で出した返事は



「はいご主人様…」



記憶にあるのは、森川君の大爆笑だけ……!



< 158 / 324 >

この作品をシェア

pagetop