恋の授業。
「ん?何がず……」
え?………
今…
ホクロメガネの方を向いていたワタシは、『くーちゃん』と呼ぶ声に気付いて、顔を向けた。
……えっ!
なんでっ…?
こっちに歩いてくるのは、間違いなく森川君だ。
ホクロメガネも黙って森川君の方を見ている。
「え、あれっ、も、森川君…」
明らかに挙動不審なワタシ…
「今日、約束…した?」
別にやましい事はないけど、森川君の表情を見ると、とてつもなくヤバい気がする…。
「メールも電話も、したんだけど。」
「えっ?!ごっ、ごめんっ」
携帯?!
携帯鳴った?!
最高に焦りながらポケットを上からバンバン叩いてみたけど、それらしきものがない。
携帯…忘れた…。
「ごめんね…携帯、家だ…」