恋の授業。



10分くらい歩いて着いた家は、新築の戸建てだ。

ベージュとピンクのレンガでメルヘンチックなのは、お母さんの趣味なんだろう。



「どうぞー!」



そう言って玄関を開けてくれた頃には、あのぎこちない空気も無くなっていた。



「お邪魔します。」



ここが毎日森川君の帰る場所なんだと、キョロキョロしてしまう。


2階の突き当たりが俺の部屋だから先に行っててと言われて、1人で階段を上がっていく。



勝手に入るのも気が引けてドアの前で待っていると、飲み物を持った森川君が来た。



……!



その姿を見ただけで、これから先のことを想像してしまう。



ワタシってムッツリかも…



心の中で自虐してみる。
そんなワタシを見て、ハハハ!と笑いながら部屋に通してくれた森川君からは、会ったときよりも余裕が感じられる。


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