恋の授業。




帰り道、ホクロメガネの話はしなかった。

あの日、…ホクロメガネと一緒にいるところを森川君が見た日、森川君は相当不安になったと思う。

今の森川君がどうかはわからないけど、ワタシからは話さない方が無難だと思った。



「るりのやつ、あそこまで怒らなくてもよくない?俺の妹とは思えないね!」



楽しく話してくれる森川君には助けられるけど、無理をしているのがわかってしまう。



だけど、ご機嫌とりなんて傷つけるようなことはしたくない。

でも、どうにかしたい…

じゃあ、どうすればよかった…?



偶然ホクロメガネに会ったことはどうしようもなかったけど、それが森川君をから元気にさせてるのもわかる。




相変わらず妹ちゃんの話をしてくれる森川君の声を聴きながら、森川君と初めて話した日のことを思い出していた。



森川君がたくさん喋ってくれたから、ワタシは助けられたんだ。


ワタシが落ち込むなんて、おかしい…

よし!



ワタシは自分にカツを入れて、いつものワタシ、になれるよう努めた。


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