恋の授業。
スイッチ



「ぅんっ………っん…ちょっ…!」



ズサッと足が地面に擦れる音で解放される。



「っぷはぁっ……どうしたの…?なんか……」



なんか………



「ダメ…だった?…」



「あっ!いやっ、ダメ、とかじゃないけどっ!………」



予備校帰りに会いに来てくれた森川君といつものベンチに座っていると、軽いキスがだんだんと…激しくなってくる。



「外だし…」



前にギューしてるところを父親に見られてるっていうのに…



ここ最近ずっと、森川君の様子がおかしい。



時間があれば『会いたい』と言って来てくれる。
場所がどこであろうとずっとワタシの手や腕をにぎっているし、時間に余裕がある時は…森川君の部屋に行く。



「ごめん……………。」



ちょっとでも拒めば…
こうなってしまう。



このしょんぼりにワタシは弱い。

こうされてしまうとどうしても、なんとかしなくちゃと思ってしまうんだ。



と言ってもここでは森川君の手をにぎってあげるくらいしか出来ない。


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