恋の授業。
突然のメールには慣れていないけど、過去にこういうことは何度かあったから、無難な返信には思い当たりがあった。
森川君って確か駅が一緒なんだったよね~。
女子に人気ってマリは言ってたけど…
っていうか明日、マリに質問責めにあうんだろうなー
そんな事を考えていたらいつの間にか眠っていたらしく、朝日がカーテン越しに眩しくて…目が覚めた。
携帯にはまたもや新着メールのお知らせランプが光っている。
予想はしてたけど、マリからの報告催促と、森川君からの返信だった。
と、そこで朝から固まってしまう…
森川君のメールは、なんと、一緒に学校へ行こうというお誘いだ……
えぇーー?!ちょっと、急すぎだよ…
ハァ…
ワタシの心の声は森川君には届かない。
駅で待っているという森川君の強引なメールに、変な緊張と、モヤモヤした気持ちから冷や汗が出る。
鉄分不足だろうか…
「ホクロメガネに会ったらどうしよう…」
……あ?!!
無意識に出た独り言に、真意を問うことはなんとなくしなかった。
テーブルの上には、結局一口も飲まなかった炭酸水が、溶けた氷に押し出されて水溜まりをつくっていた。