恋の授業。


せっかく話せるようになった森川君との関係が、何もなかったかのようになっちゃったのが思ったよりもショックだったってことには気が付いてる。



かといって、今更どうしたらいいのかなんてわからない…。
だって、森川君はそういう関係ではいたくないと思ってるから、前みたいに話しかけたりしてこないんだと思うし……



それに…。
断ったつもりじゃない、と言ったところで、じゃあ付き合うつもりなのか?って言われたら、それは…はいそうですとは言い切れない。



結局は、気を持たせるだけならこのままにするしかないんだと、答えがでてる。



「でもね、ワタシ、気付かないうちにヒドい振り方しちゃってたの。」



「……?!」



ホクロメガネがすごい速さでワタシを見たところからして、『終わった』の意味を理解したんだろう。
尚更ホクロメガネの顔は見られない…



「だからさ、ふったつもりじゃないよーなんて言ったら、期待させちゃうでしょ?」



「………」



ホクロメガネは、何も言わずに聞いてくれてる。



「そしたら何にも言えないじゃん…
こっちから話しかけたりできないじゃん?」



「……。」



「まぁもともとそんなことできないけどさぁ」



1人でしゃべっていることが恥ずかしくなって笑ってみるけど、ホクロメガネは真顔のまま、空を仰いだ。


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