恋の授業。
「なるほど…」
やっとしゃべったホクロメガネは溜め息混じりにそう言うと、視線を地面に落とした。
「ではどうして君は、森川君と仲良しでいたかったんだと思いますか?」
どうしてって、それは…
「勝手に話してくれるけど楽しいし。」
そう、ワタシがしゃべらなくてもいろんな話をしてくれる。
「あとは?」
「あと、多分気が付く人って言うのかな‥なんか、優しいし。」
うん、そう。周りが見えてる。
「それから?」
それから?…うーんと…
「犬みたいで、ちょっと、心配。」
「ッフハハ、君に心配と思われるなんて!」
真面目に聞いてくれてると思ってたのに
突然笑われて頭に来る。
「……んっ。」
「ハハ、すみません。それは多分、母性本能ってものですね。」
怒っていたのに、ホクロメガネのその言葉にハッとしてつい普通に返す。
「母性本能…?」
「はい。それも一つの愛情ですよ。」
…母性本能。
愛情…
うーん……
余計にわからなくなってきたっ…!