バターリッチ・フィアンセ
そうして久々に訪れた近所のコンビニで、自然と足を止めてしまったのはパンのコーナー。
しばらく棚を眺めていると端の方にくるみパンを見つけて、これなら胃に負担もないかと手に取ったのだが。
家に帰って食べてみると、その風味はあまりに貧弱で、そのくせ俺が店で出してたくるみパンよりは値段が高く、無性に腹が立った。
もうパン屋は閉めたっていうのに、職人のプライドという面倒なものだけがまだ根強く残っているらしい。
だからって食べ残すこともできず、苛ついたままパンを完食すると袋を握りつぶしてゴミ箱に放った。
こんな生活を、俺はいつまで続けるつもりなんだろう……
このままではダメだとわかってる。
だけど、パンを作ること以外能のない俺に、それ以外何をしろって言うんだ……
この部屋に来てから充電器につないだままでほとんど見ることのなかったスマホを久々に手に取り、とりあえず職探しでも、と起動させてみる。
すると届いていたのはおびただしい数のメール。
おそるおそる内容を確認すると、そのほとんどが、ブログにコメントが付いたことを知らせるものだった。
なんで、一気にこんなに……
今までにも、更新すれば十数件のコメントはついていたが、今回はけた違いだった。
俺はそのままサイトにアクセスして、ひとつひとつのコメントの内容に目を通し始めた。