ギャップ彼女 1
『ねぇ…伊吹。どうしたの?何かあった?悩み事なら相談のるよ?』
机に突っ伏してしまった伊吹に近づこうと、自分の椅子を近づけ座った。
きっと何かあったに違いない。
よしっ。今度は、私が力になる番だよね!?
すると伊吹はノソノソと顔をあげ、私を見つめ口を開いた。
「なぁ、リン…。」
『ん?』
「土曜日の事…隼人に聞いた。あいつ……あいつは…その…彼氏…なのか?」
なぜか悲しげな表情の伊吹。
隼人に聞いたって事は、奏の事だよね?
「は?リン!!彼氏いるのか!?」
いきなりふりかえり、驚きの表情で話に加わってきたのは海斗。
『…奏は、彼氏じゃないよ』
私がそう言うと、さっきまでとは一変パーッと笑顔になる伊吹。
「俺も…俺もリンとデートしたい…今度は俺とデートして…いや?」
可愛らしくお願いする伊吹に、母性本能がくすぐられる感じがした。
リンは今、ズッキューンとうたれたわよ!!
可愛い…。
伊吹さん、何なのですか?
そんな可愛いお願いの仕方って反則ですわ!!
『嫌じゃない!!行こう!!』
「まじで!?リン約束だぜ!!」
『うん』
伊吹の手を握ってウンウンと頷けば、少し頬を赤らめた伊吹が嬉しそうに笑った。