千日紅~永遠のキズナ~
「お前、恭のクラスだから」

「がんばってね~」


どうやら、あたしの担任は恭ちゃんのようだ。


トシちゃんに背中を押せれ、あたしは恭ちゃんと一緒に教室に向った。





「で、珠愛の奴。もう、大丈夫なのか?」


あたし達が理事長室を出て行き、トシちゃんが康樹に聞く。


「さぁな。でも高校くらいは卒業しておかなきゃ、あいつのこれからの人生に関わってくるだろ」


康樹は、兄の顔で言う。


「まぁな」

「過去に縛られて、死んだ奴のことを悩んだ所で、死んだ奴は戻ってなんて来ねぇ。あいつも19だ。そろそろ自分の足で、歩いて行かなきゃいけねぇだろ」


康樹は康樹なりに、珠愛のことを考えているのだろう。


「お前は、よくやってるよ」


トシちゃんは康樹の肩を叩く。


「少なくとも、トシよりは仕事はしてる」

「ひでぇな」

「俺も、そろそろ教室に行くか」


康樹はトシちゃんとの会話を終わらせ、自分の教室へと向かった。

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