トレモロホリディ
「あ~、うまかった。

やっぱすごいよ。ミナちゃん、料理うまい」


「へへっ、ありがとう」


ミナト君は和食が好きみたいだから、今日は肉じゃがにしてみた。


残さず全部食べてくれると、やっぱりすごく嬉しいよね。


「あー、俺そろそろ髪染めないとなあ…」


「え、そうなの?」


綺麗に染まってるのに。


「ふんわりさせてごまかしてるけど、本当は根元が黒くなってんだ。ほら、見て」


そう言ってミナト君が、髪の根元を見せてくれた。


「あー、本当だね」


確かに2cmくらい黒いかな?


「ミナちゃんは真っ暗だね。染めてないの?」


「うん。

以前は染めてたんだけど、就職活動始めた時に黒にしたの。それ以来ずっと黒だよ」


つい最近まで色々面接を受けまくっていたしね。


「一度染めると頻繁に染めないといけないし。

美容院代節約するために染めてないの」


「なるほどねー」


ミナト君がじぃっと私の顔を見ている。


なになに?


一体何なんだろう?
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