どうしようもないくらい好きでした(仮)
カバンの中に適当に荷物を詰め込むと、陸のアパートの鍵だけはコートのポケットの中にしまった。
何気なく窓から外を覗いてみると、降り続いていた雪は既に止んでいて、明るい日差しが辺り一面をキラキラと照らしついた。
ブーツを履き、玄関に取り付けられている鏡の前に立つと、そこに映った自分の姿を見つめる。
青白い顔。
母が心配するのも無理がない。
こんな顔では陸に会えない…。