どうしようもないくらい好きでした(仮)



外に出ると、日の明るさとは対照的に冬の澄んだ空気は冷たい。


まだ誰も通っていない所を選んでは足跡を付けて歩いた。
雪の感触がブーツの靴底から伝わる。


小さな子供に戻ったようで、踏み締める度に聞こえるザクッザクッという音が懐かしく思えた。


大通りまで出ると、流石に人の足跡だらけで、泥が混じった溶けかけの雪道が続く。


今度は泥が跳ねないように、慎重に歩いた。






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