あたしの証～番外編～

あかりに早く会いたい。

会いたい。

会いたい。


そんな逸る気持ちが俺の足を急がせる。

ゆっくり行ったって、十分に間に合う時間なのに。


早く。


あかり。





俺は結局、待ち合わせの時間より20分も早く到着していた。


たくさんの人込みの中。

俺はふうっと息をついた。

腕時計を見て、くくっと嘲笑する。



来てるわけねえだろっつーのな。
予定まで20分もある。


飲み物買って来る余裕はあるな。
近場のコーヒーショップで、アイスコーヒを買うと俺はまたモアイ像の前へと戻る。


キョロキョロと辺りを見渡すが、あかりはいない。


……どんな風になってるかな、あかり。

きっと、綺麗になってるだろう。


あの時よりもうんと。