あたしの証~番外編~
そわそわしながら、俺はコーヒーに口をつけた。

無駄に携帯を確認しては、何も言わない携帯にはあっと肩を落とす。



コーヒーを半分まで飲み終えた時、あかりとの約束の時間を回った。





あかりは、来ない。


“放課後
〇×公園で待ってます。

木下あかり”



辞めろ。
あかりはもう、あの時のあかりじゃない。



違う。


あかりは来る。



まだ俺を好きって言ったあかりは本物だ。
偽物じゃない。


あかりだ。


“なつお”


そうやって、俺を呼んだ、あの時のあかりと。



一緒?


あかりは俺との約束をすっぽかした時と一緒なのか?


再度俺に近付いたのは、復讐する為?



違う違う違う!!!

あかりは違う!!



心臓がドキドキとうるさい。

さっきからあかりへの疑心が消えないでいる。
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