あたしの証~番外編~
あかりは、来るよね。

あかりは。

来るよ…ね?





だけど、あかりは現れなかった。


五分経っても。
三十分経っても。
一時間経っても。
二時間経っても。



遂には三時間を回った。




もう、コーヒーの中の氷は溶け切っていて、透明な液体へと変わっている。



「……あかり」



あかりの答えはこうだったんだ。



復讐した俺を許せなくて、復讐し返してやろうと。
でないと、彼氏なんか出来ないよな。


俺の事なんか忘れてるよな。
未練なんて、ないはずだ。



コーヒーのカップをゴミ箱に捨てると、俺は自宅に戻る事にした。


もう、あかりには何も連絡せずに。



満足だろ?
あかり。


まさか、どっかで見てたんじゃないよな?



昔の女を引きずって、懲りもせず待ってる滑稽な男だって。嘲笑って。

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