あたしの証~番外編~
自分の心臓がドクンと波打つ。
忘れもしない。





一年前。
裏切られた時と同じように笑顔を見せて。








俺は無意識に奥歯をぎりっと噛み締めた。





地元に帰るまでの間、俺の頭の中は木下あかりでいっぱいだった。





夕焼けに染まる空も。
懐かしい街並みも。




俺の瞳には写らなかった。







頭にあるのは。


木下あかりのことだけ。
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