冷たい君が一途に好き*幼なじみに片想い*(仮)

「まぁ、それだけ風麻が好きなんだもんな〜」



颯くんは、腕を組みながら頭を上下に動かして納得という様子。



「うん、そうみたい…あははっ」




颯くんの言葉は当たってる。




風麻を探してしまったのは…

風麻が、好きだから。





「そんな萌加ちゃんに、アドバイス!」




「うんうん!」





「今日から風麻に『好き』って言わないこと!」




「うんうん! …って、えぇぇ!!?」




今日から風麻に好きって言わない…?




「そ、そんなの、無理だよ!

急に言わなくなったら、風麻きっとあたしが他の人好きになったのかと思っちゃうよ!?」




あたしがそう言うと、颯くんは笑う。




「いいのいいの、それが狙いだからさ。

萌加ちゃん、普通に風麻と話してもいいよ?

だけど、好きって言わないのが大事なわけ!」




??なんで?




頭にハテナをいっぱい浮かばせる。



それが狙い??




颯くんの考え…わからない…。




「ま、詳しく言うと、それで萌加ちゃんの存在を気づかせるわけよ。

…あ、風麻戻ってきた。


萌加ちゃん、今のアドバイス守ってね!」




そう言われても…まだわからない。




風麻が教室に戻ってきたと聞いて、いつもなら「風麻ー!」とか言うんだけど…




颯くんの考えが謎すぎて、あたしは知らぬ間に風麻たちの教室から出ていた。




『今のアドバイス、守ってね!』




なんか分からないけど…颯くんのアドバイス、やってみようかな。




…いつもは「風麻、好きっ」なんて言う放課後も、




あたしは今日から言わないんだ…。




気持ちを伝えられなくて、ちょっぴり残念だけど…



おしてばっかじゃダメだもんね!




あたしは颯くんのアドバイスを守ろうと、心の中で誓った。
< 35 / 81 >

この作品をシェア

pagetop