冷たい君が一途に好き*幼なじみに片想い*(仮)
「まぁ、それだけ風麻が好きなんだもんな〜」
颯くんは、腕を組みながら頭を上下に動かして納得という様子。
「うん、そうみたい…あははっ」
颯くんの言葉は当たってる。
風麻を探してしまったのは…
風麻が、好きだから。
「そんな萌加ちゃんに、アドバイス!」
「うんうん!」
「今日から風麻に『好き』って言わないこと!」
「うんうん! …って、えぇぇ!!?」
今日から風麻に好きって言わない…?
「そ、そんなの、無理だよ!
急に言わなくなったら、風麻きっとあたしが他の人好きになったのかと思っちゃうよ!?」
あたしがそう言うと、颯くんは笑う。
「いいのいいの、それが狙いだからさ。
萌加ちゃん、普通に風麻と話してもいいよ?
だけど、好きって言わないのが大事なわけ!」
??なんで?
頭にハテナをいっぱい浮かばせる。
それが狙い??
颯くんの考え…わからない…。
「ま、詳しく言うと、それで萌加ちゃんの存在を気づかせるわけよ。
…あ、風麻戻ってきた。
萌加ちゃん、今のアドバイス守ってね!」
そう言われても…まだわからない。
風麻が教室に戻ってきたと聞いて、いつもなら「風麻ー!」とか言うんだけど…
颯くんの考えが謎すぎて、あたしは知らぬ間に風麻たちの教室から出ていた。
『今のアドバイス、守ってね!』
なんか分からないけど…颯くんのアドバイス、やってみようかな。
…いつもは「風麻、好きっ」なんて言う放課後も、
あたしは今日から言わないんだ…。
気持ちを伝えられなくて、ちょっぴり残念だけど…
おしてばっかじゃダメだもんね!
あたしは颯くんのアドバイスを守ろうと、心の中で誓った。