一匹狼な彼氏と能天気な彼女
一瞬怯んだが、表情に強気と自信が戻った。
そのわけ分かんねぇ自信はどこから湧いてくるんだか。
反対隣の奴は、何かを思い出そうと必死に頭を捻っている。
「…誰だっけ?」
どうやらナンパ野郎たちの名前が出てこないようだ。
「忘れたとは言わせねぇぞっ!!」
「いや、てかまず名前聞いてないし。」
……は?名前言ってねぇの?
図星だったらしく、全員が黙り込んだ。
マジか……
「バカだろ。」
思わず鼻で笑ってそう言ってしまった。
「てめぇもふざけてんのかぁ!?」
グイッ…!
殴られた奴に、今度は胸ぐらを掴まれる。