妖精と精霊と人間と
第二章 危険な旅。
 それから、二週間が経っただろうか。美香は強くなった。約束通り、ラーグウェイに精霊魔法を教えてもらったのだ。地の大精霊・ノーム。風の大精霊・シルフ。水の大精霊・ウンディーネ。そして、火の大精霊・サラマンダー。その、全ての召喚法と術を教わった。でも、今扱えるのは水の大精霊・ウンディーネと大輪の花火の天使・ヴェリテル、清らかな炎の天使・パアリアだけ。けれど美香には、それを使いこなせると言う事だけで、とてつもなく嬉しかった。喜んでいる美香に、ラーグウェイはこう言った。
 「基本を忘れるな。そして、いつも修練しておけ。そうすれば、お前はもっと成長する。俺が保証する。」
そう言って、美香の頭をぽんぽんと撫でた。
 そして、明も新しい武器や防具を買った。風の精霊・メリの魔力のかけらをうめこんだ風の鎧、シルバーウルフの毛を使った駿足のヘルム、ヤタガラスの羽をうめ込んだ疾風の小手、この世で一番早い馬の尾を使った音速の靴、ハヤブサの爪を使ったハヤブサの剣を買って、装備した。
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