妖精と精霊と人間と

第十三話 巨人の住む山

 バンクスが仲間に加わり、次は巨人のトロールが住む山・ヘイレッドに向かう事にした。しかし、行けども、行けども、ヘイレッドのふもとにもつかない。もう、三日三晩歩き続けている。四日目の朝、ようやくヘイレッドのふもとの村についた。村の名は、ティミッド。この村の人達は、月に一度の新月の夜、トロールに若い娘を差し出す。そう、村へ危害を加えない為の生け贄である。ある家の前に、大量の花束が置いてあった。多分、次の生け贄の家なのだろう。家の中からすすり泣きが聞こえる。新月は、明日だった。
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