偽りと君
「あ、あの 葉風航さんですよね?」
ちらちら、あたしの方を見ながら
あいつに問う。
「ああ。ですが、縁談はお断りします。」
躊躇い無く言ったあいつに相手の女の子は瞠目した。
のも、束の間
「何故ですか?」
繋がれている手を気にしつつも
あたしの存在は完全に無視して
あいつに食い下がる。
「見て分からないですか?」
あいつの敬語をほとんど聞いたことがないから、冷たく突き放されている感じを恐ろしく思った。