偽りと君




「この子」




いつの間にか後ろから抱きしめられている


ふわりとこの男のものらしいシトラスの香りが鼻腔をくすぐった。




その女の子は軽くあたしを睨み付け、泣きながら走っていってしまった。







「…」


「…」




涼しい風が吹き抜ける







「いつまでそうしてるつもりですか?」





一向に離れる気の無さそうな後ろの男に尋ねる。








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