君と歩く未知
 アタシはカズくんの傍に近付いた。
「あ、えと、びっくりしたね。さっきは」
カズくんは目を閉じて黙り込んでいる…
目を閉じて黙り込んでいるのは多分考えごとをしているから。
アタシは最近それに気付いた。
確か、海に行った日の電車の中でもカズくんはこんな風にしていた。
二人でいてもたまにそんなことがあった。
アタシは普段なら話しかけず、考えごとの邪魔をしないようにするけど、今はとても待てる余裕がない。
…カズくんを怒らせてしまったのかも知れないんだもん。
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