嘘つきなポーカー 1【完】


体育が終わってから更衣室に戻ると、面倒なことが起きていた。
由佳の鞄がない。
周りを見ると、女子たちは皆自分のほうを見てクスクスと笑っている。


「さ~て、お昼お昼!玲香、一緒にお弁当食べよー!」


白々しくそう言って更衣室を出ていくのは、遠藤奈津子。

荷物をどこかに隠した犯人は、大体予想がつく。

本当に何が楽しいんだろう、と内心呆れながら誰も居なくなった更衣室を探してみるが、鞄は見つからない。

面倒なことになったなぁ、と由佳はため息をつく。

鞄の中には授業の用意はもちろんのこと、携帯や財布、家の鍵なんかも入っている。
あの鞄がないと、家に帰ろうにも帰れない。


由佳は午後の授業には出なかった。

普段授業をサボることなど無いのだが、鞄が無ければ受ける意味もない。

由佳は鞄を探しがてら、学校の中をぶらぶらと歩いた。
中庭だったり、空き教室だったり、色々回ってみたが、どこにも鞄は無かった。


< 14 / 451 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop