嘘つきなポーカー 1【完】
「あの人たち、一体どこに隠したんだろ…。」
由佳はぶらぶらと歩きながら、そう呟いた。
5月の陽気はとても心地よく、散歩するには持って来いだった。
由佳はたまたま、使われていない非常階段のような場所を見つけた。
「へぇ、こんなとこあったんだ。」
普段こんなに学校内を冒険することも無いので、初めて見る場所だった。
そこは日当たりも良く、そして人も来そうな気配がなかった。
なかなかいい場所を見つけた、と由佳は思った。
鞄を隠されなければ、見つけられなかったに違いない。
由佳はそうプラス思考に考えることにした。
由佳は非常階段の踊り場のような場所に寝そべって、空を見上げた。
青く澄み渡った空。そしてそれを飾るように浮かぶ真っ白な雲。
由佳の身体を照らす太陽の日差しが、バスケットボールをぶつけられた場所を少し癒していくような気がした。
自分はこんなにも惨めな姿なのに、どうして世界は今日も憎らしいぐらいにいつもと変わらないのだろう。
そんなことを思いながら、由佳はそっと目を閉じた。