嘘つきなポーカー 1【完】
目を開けると、さっきまで青かったはずの空がいつの間にかオレンジ色に変わっていた。
遠くでカラスが鳴いている。
しまった、と由佳は思った。
腕に付けられた腕時計は17時過ぎを指している。
鞄を探すつもりが、いつの間にか寝てしまっていたらしい。
最近家でまともに睡眠をとっていなかったせいだろうか、かれこれ4時間ぐらい寝ていたことになる。
当然、鞄はまだ見つかっていない。
「帰れないじゃん。」
小さくそう呟いて身体を起こすと、ふとある物が目に入り、由佳は驚愕する。
「あれ…私の鞄?」
そう、探していたはずの由佳の鞄が隣に置かれている。
一体これはどういうことだろうか。
由佳は色々考えを巡らせた。
鞄が独りでに歩いてきたのだろうか?
いや、そんなファンタジーなことは有り得ない。
じゃあ、誰かが由佳のために鞄を探してわざわざ届けてきてくれたのだろうか?
それもまた、有り得ない。
むしろ鞄が独りでに歩いて来るほうが可能性があるかもしれない。
由佳は鞄の中身を確認する。
間違いなく、これは由佳の鞄だ。
財布、携帯、家の鍵、教科書。
全てがそのまま無事に由佳のもとに返ってきている。