嘘つきなポーカー 1【完】
由佳は財布を手に取り、中身を確認する。
「さすがに、抜かれてるだろうな…。」
由佳はそう思いながら、財布の中身を見ると、朝入っていた3300円がそのままだった。
有り得ない。
今起こっていることは奇跡と言っても過言ではない。
きっと無事に帰って来たとしても、何かしらの被害は受けているだろうと思っていた。
だが由佳が見る限り、全くもって朝持ってきた鞄の状態から変わっていない。
「変なの…。」
由佳はそう呟いて、鞄を持って立ち上がった。
由佳が靴箱のところまで来た時に、また1つ不思議なことが起きていた。
無くなっていたはずの上靴が戻ってきている。
「なにこれ…。」
由佳はあまりにも偶然とは言い切れない不思議な出来事に、少し気味悪くなった。
だが鞄と上靴が返って来たことは、由佳にとってはありがたい話だったので、とても複雑な気分だった。
誰かの好意なのだろうか、それとも誰かが何か企てているのだろうか。
きっと後者だろうな、と由佳は思った。