嘘つきなポーカー 1【完】
家事を一通り済ませ、学校の課題もひと段落つき、リビングのソファに横になった時だった。
由佳の携帯が鳴った。
普段由佳の携帯は滅多に鳴らない上に、かかってくるのは母の事務的な連絡がほとんどなので、由佳は何事かと少し驚いた。
ディスプレイに表示されているのは、知らない番号だ。
いつもなら、出なかったことだろう。
だけど今日はなんだか出てみようという気分になった。
学校で少しラッキーなことがあったのも、そういう気分にさせた1つの原因だったのかもしれない。
「…もしもし。」
「あー、もしもし。」
電話越しに聞こえてきたのは、男の人の声だった。
間違い電話だろうか。
「笠原由佳さんですか?」
そう尋ねられて、由佳は間違い電話ではないと分かった。
だが由佳の知り合いに男の人など居ない。
「どなたでしょう。」
訝しげにそう尋ねた由佳に、電話越しの男は笑いながら答える。
「そんな警戒すんなよ。」
「…お名前は?」
「俺?俺はケイ。」
「ケイ?そんな知り合いは居ないです。人違いじゃないでしょうか。」
「まぁまぁ、細かいことは気にすんなよ。武城高校1年A組の笠原由佳さん。」
気味悪くなった由佳は、電話を切ろうと携帯を耳から離す。