嘘つきなポーカー 1【完】
買い物からの帰り道、由佳のポケットに入れていた携帯が鳴った。
ディスプレイには知らない番号が表示されているが、由佳はそれが昨日の「ケイ」という男だと何となく分かった。
出ようかどうか迷ったが、由佳は電話に出た。
「もしもし。」
声の主は予想通り、ケイだった。
「…こんばんは。」
「あれ、今外?取り込み中だった?」
横を通り過ぎる車の音を聞いて、ケイは尋ねた。
「…夕飯の買い出しの帰り道です。」
「へぇ、何作るの?」
「…シチューです。」
「料理すんだね。」
ケイの言葉に、由佳は「はい。」と小さく呟いた。
「何か用でしたか。」
由佳が訝しげに尋ねると、ケイは「相変わらず不機嫌だなぁ。」と面白そうに笑った。