優しくないっ、優しさを感じない!


ーーなんとか笑顔を作って、一人で逃げるようにやって来た保健室。…というか実際逃げて来た。逃げ場としてここに来た。あたしはあの場に居られなかった。


「…先生、具合悪いから一時間寝かせて」


あたしは扉を開けて早々に頼む。するとそんなあたしの申し出に、先生は驚いて目を瞬かせた。


「あれ?また膝小僧でも擦りむいたのかと思ったら…神崎さんが具合悪いなんて珍しいわね」


普段、体育やら昼休みやらでのはしゃぎ過ぎた怪我ではちょくちょくお世話になっていたりして、割と先生とは面識があったりする。だからそんな普段のあたしを知ってる先生からしたら、具合悪いなんて言う言葉はあたしからかけ離れた言葉だったんだろう。


「うん…でも今日は本当ダメでさ…」

「…なんか本当に調子悪そうね、元気なくなっちゃって…大丈夫?だったらもう帰った方が良いんじゃない?」

「…ううん、帰るほどでも無いし、少しだけ休めばなんとかなると思う」

「?、いや、そうじゃなくて。始業式も終わった訳だし後は大掃除ぐらいでしょ?一時間寝たらもう学校終わってるわよ?」

「………ん?」


あれ?大掃除?


「え、先生…授業は?」

「無いよ、明日からじゃない…って、知らなかったの?」

「……」


< 148 / 310 >

この作品をシェア

pagetop