優しくないっ、優しさを感じない!
「へ?え、えっと、う、うーん…」
「ね?一人じゃつい一歩が踏み出し辛くなっちゃうかもしれないけど、二人なら大丈夫。私がヒロちゃんの背中を押すよ。ヒロちゃんのこと、私はいつも心配してるし応援してるよ。ヒロちゃんの事大好きだよ、大切な友達だよ」
「…レ、レナちゃん…」
「だから私の事ももっと頼って。私なんて人見知りでヒロちゃんみたいに友達作れないし、ウジウジして明るくないし、塾があって放課後もあんまり一緒にいられないから大事な時に傍にいられないけど…だけどヒロちゃんの事なら、何でも手伝うから。絶対だから」
そう、始めこそグッと熱く語ってくれたレナちゃんは、段々と…最後には、シュンと小さくなってしまった。その姿はなんだか随分落ち込んでしまってるみたいだったけど、あたしにはなんでだろう?とか、どうして?とか、そういう気持ちは生まれなかった。
何故ならあたしは何よりもまず、レナちゃんがそんな事を思ってくれていたなんてと思うとただただ感動してしまったからだ。それはもう、ついレナちゃんの言葉に頷く事すら忘れてしまうくらいに。
レナちゃんは、あまり自分の思いを口にしない。遠慮がちで、発言までにたくさん考えて、あたしみたいに思ってる事すぐに口に出しちゃうような奴とは全然違うタイプだ。だからあたしはレナちゃんの一言一言には重みがあると思ってて、それがまたレナちゃんの品の良さに繋がってるんだと思ってる。
だからあたしにとってレナちゃんはあたしとは違う、生涯かかってもなれそうも無い憧れの存在なのだ。
「レナちゃん…」
それなのに、そんな彼女が今あたしとは違うからって落ち込んでしまって、だけどあたしの力になりたいって言ってくれて…
あたしの事を、こんなに真剣に考えてくれている。
「行こう、レナちゃん」
なんて心強いんだろう。なんて力になるんだろう。