これが、あたしの彼氏です。【完】
「おい、何の音だよ」
「ちょ、ちょっと待って」
そんないきなり響いた音に少し焦ったような声を出したギャル女が、大きな物音がした方へゆっくりと顔を向ける。
「………え…っ」
すると、ギャル女の顔がどんどん青ざめて行くのが遠くからでも何となく分かった。
「………?」
一体、何が起こったの……?
そんな思考で、青ざめるギャル女に目を向けていると―――、
「………俺の女に、何やってんだ」
「……!」
いきなり聞き慣れた低い声と見慣れた顔が、あたしの目にグッと焼き付いた。
「………や、矢沢、君…」
こっちに目を向けた矢沢君と、一瞬だけ視線がパチッと重なる。
はだけたカッターシャツにめくれたスカート、そして涙を流しているあたしの姿を見た矢沢君は、これでもかと言うほどに、眉間にギュッと皺を寄せた。
「チっ」
矢沢君は不機嫌な舌打ちを一つ漏らすと、不意にズカズカとこっちへ足を進めて来た。