これが、あたしの彼氏です。【完】
「コイツに触ったのはてめぇか」
「な…っ、ちょ、矢沢」
「覚悟は出来てんだろうな」
「お、おい。ちょ、待てって。俺だけじゃねぇって…、他の奴等も……」
「あぁ!?」
こんなに怒った表情を見せる矢沢君は、今までに一度も見た事がない。
矢沢君はあたしの味方だって分かっているのに、それでも背中がゾクリとして震える。
「おい、ちょ。ちょっと落ち付けって、な?俺等そこまで酷い事してねぇし…」
「………」
青ざめた顔でそう言う男の胸倉を矢沢君が不意にガっと掴んだかと思うと、そのまま勢い良くガンっと一発男の頬を殴り付けた。
「や、矢沢君……っ」
殴られた男はそのまま壁にぶつかり倒れ込んでしまう。矢沢君に殴られた痕は赤く腫れあがっていて、口元から血を垂らしていた。
「や、矢沢君…っ、あたしは大丈夫だから…っ、やめて!」
「あぁ!?コイツ等に比べたら、お前のそれは一言で片づけられる問題じゃねぇだろうがっ、ちょっと黙ってろ!」
「………っ」
怒った口調でそう言う矢沢君の覇気にあたしはつい何も言えなくなってしまい、呆気なく唇をキュッと噛み締めた。