これが、あたしの彼氏です。【完】
そのまま思い切って大嫌いな粉薬を口の中へ放り込んだ。
すると急激に口の中が苦みでいっぱいになり、あたしは即座に近くのお茶をゴクゴクと一気に飲み干した。
「………苦い」
「そりゃ、あんな真上から薬放り込んだら苦いに決まってんだろ」
「………、飲む前に言ってよ」
「言うタイミングがなかった」
「…………」
それだけ淡々と吐き捨てる矢沢君にあたしはちょっとだけムッとしつつも、その後も残る薬の後味にあたしは何度もお茶を喉に流し込んだ。
それから数十分が経った頃、矢沢君が何かを思い出したように口を開いた。
「……ああ、そうだ」
「え?」
「…お前にコレ、買って来てたんだ」
「………えっ」
いきなりそんな事を口走る矢沢君にあたしは一瞬動きを止める。
「何が良いか分からなかったから、文句は言うんじゃねぇぞ」
淡々と偉そうに吐き捨てる矢沢君が、不意に小さいスーパーのビニール袋をひとつ、あたしに手渡して来た。