これが、あたしの彼氏です。【完】
「………え、これ」
「勘違いすんな。お前が心配で買って来たわけじゃない」
「………ふ、ありがと」
「笑ってんじゃねぇよ」
矢沢君に渡されたビニール袋の中身には、何処のスーパーで買って来たのか、果物のリンゴとオレンジが一つずつと、500mlのスポーツドリンク、それから高熱の時によく使う冷却シートまで入ってあった。
「……矢沢君って結構心配性なんだね」
「あ?だから、心配なんてしてねぇって言ってんだろうが」
「え。じゃあ世話焼きなの?」
「……うぜぇ」
小さくそう言う矢沢君は不意にスッとあたしから視線を逸らす。
「……」
……もし心配されてなかったとしても、少しくらいは気に掛けてくれたって事で良いのかな…?