【完】甘い香りに誘われて 2 *極道若頭×姐さん修行中の♀
私は麻衣さんに出来るだけ身を低くするように言うと
最後の望みをかけて窓に投げつけて割れた飾りで熱くなっている鍵を回そうと
煙を吸わないよう口元を抑えながら一生懸命鍵にひっかけた。
だけどうまく鍵が回らず、火も傍まで近づいてきた。
和室にあった座布団で火を叩いて消してはみたけど
あぁ…もうダメかも。
「ごめんね、麻衣さん。」
謝ると麻衣さんも
「ごめんね結衣さん。」って涙を零した。
出来るだけまた麻衣さんを引きずるように部屋の隅に移動し
そばに来る火は無駄とわかっていても叩き消した。
だけど、そんなものは、気休めにしかならず
黒煙と熱風でもう喉も痛い。
炎に煽られて肌もあちこちが熱い。
麻衣さんは弱った身体で私を庇おうとするから
それを止めて出来るだけ身を低くして麻衣さんを私の身体の下へ隠したとき
隼の顔が思い浮かんだ。
ごめんね隼。さようなら
心の中でそっと呟いて目を閉じた。
煙がしみて零れた涙なのか
隼との別れの涙なのかもう自分でもわからないぐらい朦朧とした中でいくつもの涙が零れ落ち胸が痛かった。