【完】甘い香りに誘われて 2 *極道若頭×姐さん修行中の♀
隼が私をそっと膝に抱き上げぎゅっと抱きしめ
「結衣、全部言え。聞いてやる。自分の思いを全部言え。」
「隼にさよならって言ったんだよ。」
「もう、さよならだ。隼に会えないって思った時すごく悲しかったの。」
「悪かった。」
「隼は悪くなんかないよ。隼の声が聞こえて姿が見えたときね、このまま死んでももういいって思うぐらい嬉しかった。」
「死んでもいいなんて言うな。結衣がいなくなったら俺は生きて行けねぇ。」
「今はイヤよ。絶対死にたくないもん。だけどあの時は、ほんとにそう思ったの。幸せだって思ったの。」
「あの状況のどこが幸せなんだよ。」
「だって信じてたんだよ。その通りにちゃんと助けに来てくれて、それ以上の幸せはないよ。隼のバリトンはどんな時でも私には聞こえるの。」
「あぁ。時計から音がしなきゃ火でわからなかったな。」
「最後の力だったよ。あれがそのへんにぶつかって変な方に行ったらアウトだったね。野球部からスカウトきそうだよ。」
「暴投だらけの中の奇跡のストライクだな。」
「もっと褒めてよ。」
言いながら隼の唇にそっと自分の唇を重ねた。